アスレチックトレーナーチーム BIGBEAR

BIGBEAR Trainer's Technique Vol.2

合宿環境を整える
 

◇合宿先情報収集と事前視察

どのような施設なのか?グランドは?合宿先チェック項目を挙げてみます。

●温度・湿度などの気候をチェック

・温度
・湿度

合宿先の気候や、平均気温、また朝夕の冷え込み(高所)など、なるべく詳細な点まで調査しておきましょう。特に夏季合宿では暑熱障害対策が合宿成功の鍵となります。


※水分補給や日陰の確保は重要なポイントです。

●トリートメントルームを充実させる

広さ・部屋の形・位置関係・コンセントの数・位置等

選手の人数にもよりますが可能であれば広い会議室を用意してもらうのがベストです。そこでは選手のチェック、様々な処置とケア、テーピングなどコンディショニングに関する全ての事をこの部屋で行われます。部屋の広さもさることながら、テーピング台をどのように配置するか、アイシングを行う場所をどこにするかなど…部屋の“形”も重要となってきます。また、トリートメントルームとなる部屋が館内のどの位置にあるかも考慮しなければなりません。宿泊部屋とあまりにも離れすぎていては、選手の足は遠のいてしまいます。

トリートメントルームモデル
(選手数50名前後)
図をクリックすると拡大表示します。

 


●グラウンド

グラウンドの“質”地面の硬さ、種類(天然芝or土)など

私達トレーナーはグラウンドも必ずチェックしなければなりません。そこでどのような傷害が発生しやすいかをあらかじめ予想し、グラウンドで対処しなければなりません。小石が転がっている、あるいは天然芝といっても土の部分が多ければ、擦過傷をはじめ、様々な傷害発生の原因となるでしょう。地面の固さによってはシンスプリントなどの傷害や疲労の度合いにも関わってきます。


●食堂

・どのようなメニュー?
・メニュー変更は可能?
・補給食を出す事は可能?

食事の善し悪しは非常に大切です。リラックスしながら食事が摂れるよう、栄養バランスを整えるのはもちろんのことですが、やはり美味しいというのは第一条件です。合宿施設等では冷凍食品を使った“揚げ物”ばかりが出るようなところも見られます。“タンパク質中心”で“品数多”としたこちらの要望にどれだけ対応できるかを料理長も含めて話をすることが必要です。またこのチームでは補給食を夜に出す事になっており、それが対応可能かどうかもチェックのポイントとなります。


●宿泊施設

・医療機関確認

宿舎から、或はグラウンドから医療機関までの距離、緊急時に即時対応できる様に事前に調査しておく。


◇選手教育

夏季合宿のポイントはなんと言っても熱中症予防が重要なポイントです。給水ドリンクの確保や、環境測定、テント設営(日陰)など環境を整えることも必要ですが、選手自身への熱中症に対する教育も必要となります。

◆アンダーシャツの着替えを徹底

ぬれたままのシャツを着つづけることによる蒸発の妨げを防ぐよう練習途中に着替えを指導


◆給水の徹底

練習の合間の給水を徹底して指導


合宿環境の良し悪しは、チーム予算の問題で大きく左右されてしまいます。トレーナーから理想となる要望を出したとしても、なるべく低予算に押えたいと考えるチーム側と意見の相違があり、優先順位に違いが出てきます。そうなれば、宿泊費や、ミーティング用の部屋の確保が最優先になってしまいがちで、トレーナー側の意見を全て取り入れてもらうのはなかなか難しくなるのが現実です。
そうなればチーム側の意見を受け入れなければならない事が殆どですが、この低予算状況をそのまま受け入れるだけでなく、現実的には厳しい要望でも、受け入れられるかどうかは別として、とりあえずチーム側に伝えておく事が重要です。また毎回の合宿で少しずつでも改善点を見つけ実践していくことも重要です。予算に左右されない小さな改善点をいくつ見つけられるかが、まさにトレーナーの力量になるでしょう。